森島先輩「ごめんね?何か勘違いさせちゃったみたい」

ここでは、「森島先輩「ごめんね?何か勘違いさせちゃったみたい」 」 に関する記事を紹介しています。

5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:07:31.03 :bLmWS/vR0


梅原「で?最近どうなんだよっ?」

橘「何のこと?」

梅原「森島先輩のことに決まってるだろ!」

橘「あぁ、昨日もすごかったんだよ」

橘「同じ日に二人に告白されるなんて…さすが先輩だよ」

梅原「ハナヂ王子と撃墜王だっけ?噂はやっぱり本当だったか」

梅原「あの二人を振っちゃうなんてなぁ」

橘「正直、もう駄目かと思ったけど」

梅原「でも、まだ大将にはチャンスがあるじゃないか」

梅原「ま、頑張れよ~♪大将♪」

橘(よし!二人のようにあっけなく振られないように!頑張るぞ!)


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:08:47.84 :bLmWS/vR0


棚町「やるねぇ♪純一!!」ガシッ

橘「おわっ!」

棚町「この調子だと本当に彼女できちゃうんじゃないのぉ?」

橘「なにがなんでも!創設祭までには!」

棚町「あんたはどうなのよ?」

梅原「おれ?俺はあはは…勉強が……ね」

棚町「バレバレな嘘ね」

梅原「うるさい!俺だって創設祭までには!」





8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:10:12.79 :bLmWS/vR0


橘「あっ」

棚町「ん?どうしたの?」

橘「絢辻さん」

棚町「また重そうなの運んでるわね~」

棚町「手伝ってあげなさいよ」

橘「ぼ、僕が?」

棚町「当たり前でしょ!ほら、あんたもよ!」

梅原「今、ちょっと足の調子が!」

棚町「早くいきなさい!」




9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:10:55.61 :bLmWS/vR0


絢辻「ありがとう二人とも!おかげで助かったわ」

橘「どうってことないよ」

絢辻「橘くんは前にも手伝ってくれたよね」

梅原「そうなのか!?大将!」

橘「少しだけ……」

絢辻「もちろん、梅原くんにも感謝してるわよ」

梅原「へへっ、また何かあったらいつでも手伝うぜ!」




10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:12:39.65 :bLmWS/vR0


花園「やぁ~、君達。」

数人の女の子の輪に入ったものの……

彼女らの戸惑いの視線を浴びる。

花園「どうしたの?みんな、元気ないみたいだけど」

「え、あ。おはよう!花園君!」 「きゃぁ~!今日もかっこいい!」

なんとか、いつもの調子に戻ってくれた?みたいだけど

ひそひそ話はまだどこからか聞こえてくる。

「花園君、普通じゃん」 「さすがねぇ、昨日ふられたばかりなのに…もう元気じゃない」

「立ち直りがはやいのね」

花園「くっ…」

思わず、唇をかみ締めた。




11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:13:51.18 :bLmWS/vR0


「どうしたの?花園君」

花園「い、いやぁ。ごめんね、ちょっとトイレに行ってくるよ」


キュッ キュッ ジャー



水道の蛇口をひねり水を流した。

流れ出る水をただ、ぼーっと見つめる。




12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:15:12.79 :bLmWS/vR0


昨日はあの後、何も食べていない。ずっと部屋に篭りっ放しだった。


『きっとこれは悪い夢なんだ。あの花園聖治がふられるなんてありえない。』


暗い部屋の中で自分にそう言い聞かせていた。

気が付くと、暗かった部屋が明るくなっていて…悪い夢から目覚めることも無く朝が訪れていた。

花園「全然、元気じゃないよ…」

トイレの鏡に映る自分の情けない顔を見て呟く。




13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:17:11.41 :bLmWS/vR0


休み時間

橘「さてと」

梅原「お、大将。また森島先輩と会うのか?」

橘「日々の積み重ねが大事だからね!」

梅原「まぁ頑張ってこいよ!」

橘「それじゃぁ!行ってくる!」


森島「あっ!橘くん!おはよう」

橘「森島先輩!おはようございます!」

橘「あの、昨日は随分と大変だったみたいで」

森島「大変?なんのこと?」




14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:19:15.34 :bLmWS/vR0


塚原「呆れた、告白のことよ」

橘「あ、塚原先輩」

森島「あぁ!あの時は全力で走ったから疲れちゃったよ」

塚原「私の方が疲れたわよ。精神的にね」

橘(確かに塚原先輩は森島先輩がくるまで相手してたり)

橘(色々と大変そうだったなぁ)

橘(それにしても……僕もあんな風に数秒で振られてしまうのかな)

森島「それよりっ!図書室に新しいワンちゃんの写真集が入ったみたいなの!」

橘(そのことは……あまり考えないようにしよう)




15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:21:31.19 :bLmWS/vR0


今日は妙に休み時間が長く感じられる。

いつもなら女の子たちと会話したりしてて

いつのまにか、チャイムが鳴っているのに……

廊下を一人歩く。

教室にいるとふられた男を哀れむ目線や

変に勇気づけようとしてくる子で息苦しい……

廊下で談笑している女の子の声がふと耳に入る。

「えぇ!あのミッキーが森島先輩に告白したって?」 「うん、昨日の話なんだけどね」

そうか、だから僕はふられたのか。

学内でも有名なイケメンの先輩、そんな彼がよりにもよって昨日、森島先輩に告白しただなんて。

さすがにあの先輩には負けるかな……

認めたくはなかったけど、これで何となくではあるが心にくっついた泥を拭えた気がした。

そう、運が悪かっただけだ。もし、昨日告白したのが僕だけだったなら――先輩はきっと僕を




16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:25:35.99 :bLmWS/vR0


「でも森島先輩、ミッキーのことフったんだって」

「えぇ!!なんかさすが森島先輩って感じだね」

何だって?御木本先輩がふられた?

そんな馬鹿な!

花園「き、君たち!今の話は!本当なのか!?」

思わず二人の会話に割り込んでしまった。

「本当って…結構、噂になってるけど」 「誰かが偶然にその現場を見たらしいよ」

花園「そんな……どうして……」

「だ、大丈夫?」 「花園くん…だよね?」

花園「あぁ、うん。大丈夫だよ」

花園「いきなりごめんね」




17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:31:37.87 :bLmWS/vR0


教師へ戻ろうとさっき来た道を再びなぞる

どうして?一体何故?

この僕をふって、更に御木本先輩までもふってしまうなんて……

いや、これで証明されたんだ。

森島先輩に相応しい男はこの輝日東高校には存在しないと。

僕と御木本先輩がふられたことによって――

きっと、彼女に相応しい男っていうのは

俳優とか超大金持ちとかそんな類の人たちのことなのだろう。

僕が知る限りで輝日東にそのような人はいない。

森島先輩は僕らにとってあまりにも遠い存在なんだ

よし!何だか元気が出てきたぞ!

相手が悪かっただけ!きっとそうなんだ!

席に着くと同時にチャイムが鳴り響いた。




19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:36:13.80 :bLmWS/vR0


昼休み

橘「今日は何食べようかな」

梅原「おい、大将」ツンツン

橘「なに?」

梅原「あれ、森島先輩だろ?」

橘「本当だ。なにしてるんだろう?」

梅原「決まってるじゃないか!大将を待ってるんだよ!」

橘「まさか、僕なんか」

梅原「いいから!行ってこい!」ドンッ

橘「おわっ!」




20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:38:27.19 :bLmWS/vR0


花園「さて、今日は食堂で何を食べようかな」

そういって席を立つ。

「花園くん!私達と一緒に食べましょ!」

いつものように女の子たちが誘いにくる。

花園「そうだね♪さぁ行こうか」

「今日は花園くんは何食べるの?」 

花園「う~ん、まだ何も考えてなかったかな」

「私!お弁当作ってきたからよかったら食べて!」 「あ!わたしも!」

これで普段の高校生活に戻った。もう泥のような後ろめたい気持ちは無い。




21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:39:08.58 :bLmWS/vR0


食堂

花園「相変わらずここは混むね。」

空いている席がないか辺りを見渡す。

「パンとか買って教室で食べる?」

花園「うん、そうだね。そうしよう。歩かせちゃってごめんね」

その時、耳覚えのある声が聞こえてきた。


森島「駄目よ!橘くん!ちゃんとわんちゃんみたいに食べるの!」

橘「いくらなんでも無理ですよ!両手を使わずにラーメンを食べろだなんて!」

森島「君ならできるって!うふふ♪」




23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:41:32.50 :bLmWS/vR0


気が付くと僕はただひたすら走っていた。

まるで食堂から逃げ出すように

頭の中ではさっきの光景が何回もリピートされていた。

楽しそうにご飯を食べる森島先輩……

そして、その向かいに座っていたのは

知ってる……たしか同じ学年の……


――橘 純一


なんであいつがあそこに!?どうして彼女は御木本先輩でもなく僕でもなく

俳優や超大金持ちでもなく!あいつと!橘純一といるんだ!?

わからない……わからない!わかならない!

粘着質のある黒い液体が胸の奥から染みでてくるような感覚に襲われた。

その黒い液体は体の内側にへばりついて離れようとしない




24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:44:04.59 :bLmWS/vR0


トイレに駆け込んで顔を水で濡らした。

まだ、息は荒く心臓の鼓動が全身に伝わってくる。

花園「橘純一……どうしてお前なんだ?」

顔を上げ鏡を覗き込む。

前髪は濡れて前に垂れ下がっている。まるで、自分の顔を隠すかのように

水で湿った頬の上からさらに涙が流れた。

泣いた。初めてだった恋愛で泣くなんて

他人をこうも羨ましく妬んでしまうなんて……




27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:47:14.19 :bLmWS/vR0


トイレに数人の男子が入ってきた。

「ありゃ、はなぢ王子じゃん」 「どうした?またはなぢかい?」プフフ

はなぢ王子なんて呼ばれるのは慣れっこだった。

そんなことにいちいち反応してガミガミ言うなんて全然クールじゃない。

だけど、今日は違った。

花園「うるせぇ!僕に構うなよ!」ドンッ

怒りに任せて個室のドアを思いっきり蹴り上げた。

「ど、どうしたんだよ……」 「花園……ごめん」

「え?」

我に返り自分の失態に気付く。何してるんだ……八つ当たりなんて……

駄目じゃないか……

「ごめん」

一言呟いて教室に戻った。




30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:48:53.60 :bLmWS/vR0


放課後

桜井「純一~」

橘「なに?」

桜井「新作のお菓子が出来たんだけど食べに来ない?純一に味見してほしなっって」

橘「梨穂子のお菓子は美味しいけど今日はパスかな」

桜井「どうして~?暇でしょ~?」

橘「いいや!違うぞ梨穂子!俺にはビーバー三国志を一巻から読み直さなくちゃいけない」

橘「大事な用事があるんだ!」

桜井「もうっ!それって暇ってことじゃない!純一の意地悪っ!」

橘「そこまでいうなら……いいよ」

桜井「やったー!それじゃっ。部室行こう!」




31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:49:38.58 :bLmWS/vR0


花園「橘純一……」

森島先輩という人がいながら……

花園「くっ……もっとあいつを知りたい!」

上崎「おしえてあげようか?」ヒョコッ

花園「ひっ!いつのまに!」

名前は知らないけれど何度か見かけたことのある子だ。

可愛かったから見覚えがある。確か隣のクラスの……

花園「き、きみ名前は?」ニコッ

上崎「上崎です」

花園「そう、上崎さんか。上崎さんは橘純一のこと詳しいの?」

上崎「えぇ、誰よりも」

花園「どうして?」

上崎「教えない」

な、なんだ?この子は……




32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:51:08.52 :bLmWS/vR0


上崎「それよりもっ」

花園「うっ」

上崎「知りたいんでしょ?橘くんのこと!」

花園「うん……」

上崎「それじゃっ、ついてきて!」


茶道部

橘「うんうん」パクパク

桜井「ど、どうかな?」

橘「美味い!前より腕あがってるんじゃないか!?」

桜井「そ、そうかなぁ」モジモジ


上崎「あの子は桜井梨穂子、橘くんの幼馴染なの」

花園「なるほど、それであんなにも親しいのか」



橘「それじゃっ、僕はこれで~」




34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:52:59.29 :bLmWS/vR0


花園「おい、そっちは校門じゃないけど?橘純一は何処へ向かっているんだ?」

上崎「水泳部よ」

花園「どうしてまた」

上崎「ふふっ、橘くんは女子水泳部を覗き見するのが趣味なの♪」

花園「なんて……ハレンチな」

プール

七咲「先輩……とりあえず、そこに正座」

橘「う、うぅ…」ショボーン


花園「早速、見つかってるみたいだけど?」

上崎「大丈夫♪いつものことだからっ」




35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:53:48.15 :bLmWS/vR0


七咲「はぁ…前にもいいましたよね?ここは放課後水泳部以外立ち入り禁止なんです」

橘「はいぃ…」ショボーン

七咲「いいですか?今度、覗いたら許しませんからね!」

橘「そ、そんな……それだと、もう七咲の水着姿みれないじゃないか」

七咲「なっ/////」

橘「しまった!つい口が滑って!」


花園「なんなんだよ……」

上崎「橘くんのあぁいう素直なところがいいんです!」




36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:54:27.27 :bLmWS/vR0


橘「ふぅ……さて帰ろうかな」

橘「あっ」

タッタッタッタ

橘「絢辻さん」

絢辻「あら、橘くん」

橘「またまた重そうなものを……手伝います」

絢辻「いつも悪いわね♪橘くん」


上崎「うんうん、橘くんは優しい!」

花園「」

上崎「あぁいう優しい人に女の子は弱いのよ」

上崎「もしかすると、森島先輩もそうだったり」

花園「えっ」




37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:55:10.93 :bLmWS/vR0


上崎「あなたがふられたことくらい知ってるわよ」

上崎「花園聖治くん」ニコッ

花園「どうしてそれを……やっぱり噂で?」

上崎「いいえ、見てたのよ。ずっとね」

花園「あの現場にいたってこと!?」

上崎「そうよ」

花園「気づかなかった……」




39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:56:18.26 :bLmWS/vR0


花園「どうしてあそこに?」

上崎「もちろん!橘くんを守るためよ♪」

花園「君は……橘純一の何なの?」

上崎「それは……」

上崎「橘くんの幸せは私の幸せなの!だから、橘くんに幸せになってもらうために」

上崎「頑張ってるの!」

花園「そ、そう…」

わけがわからない……結局この子は何ものなんだろう?




40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 19:57:21.70 :bLmWS/vR0


花園「もしかして、橘純一のことが好きなの?」

上崎「////」ドキッ

上崎「うん、愛してる//」コクリッ

花園「そう、じゃぁ君は橘にアプローチしないの?」

上崎「私より……森島先輩の方が……」

上崎「橘くんに相応しいと思うから」

花園「そう、それじゃぁ僕は帰るよ」

上崎「え、ちょっと」

花園「今日は色々と疲れてるし……もう、誰とも話したくないんだ」

上崎「……」




41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:00:47.01 :bLmWS/vR0


上崎「行っちゃった……」

上崎「花園聖治なら……森島先輩と橘くんの仲を引き裂いてくれるかもしれない…」

上崎「でも……それだと橘くんが…」

上崎「もうっ!私は何がしたいのよ!」




花園「橘純一……。君にあって僕にないもの…」

花園「それを手に入れれば、森島先輩も振り向いてくれるかもしれない」




43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:01:34.98 :bLmWS/vR0


次の日

森島「もうっ橘くんったら♪」エヘヘ

橘「す、すいません」アハハ


花園「どうして森島先輩は橘純一を気にいってるんだろう?」ヒソヒソ

上崎「昨日も言ったじゃない。橘くんが素直で優しいからよ」

花園「僕も女の子には優しくしているつもりだけど」

上崎「あなたは下心が見え見えなのよ」

花園「そ、そう…」




44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:02:44.78 :bLmWS/vR0


放課後

上崎さんは橘純一とそのまわりについてかなり詳しかった。

おかげで彼のことを色々知ることができた。

――だけど

僕は橘純一とは恋敵だ。

どうして、そんな僕に色々とアドバイスをくれるのだろう?

橘の幸せを願うのなら僕なんて邪魔なはずなのに……


花園「あっ」




45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:06:23.79 :bLmWS/vR0


そこには噴水の水面を見つめる森島先輩がいた。

話しかけるべきだろうか?ついこの間ふられたばかりだけど……

森島「あ、君は」

僕が話しかけるべきか否か悩んでいると先輩のほうから話しかけてきた。

花園「ど、どうも」 アセアセ

森島「う~ん」ジー

花園「な、なんですか?」

森島「どこかで見たことあるんだけどなぁ」ジー




46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:07:17.74 :bLmWS/vR0


今、この場所で彼女に会ったことを深く後悔した。

僕が一週間思い悩んで綴った手紙は彼女の記憶に全く残っていなかったのだ。

花園「花園……聖治です」

残酷だ……あまりにも酷い

僕がふられてここまで落ち込んでいた一方で

彼女の方はというとふったことすら覚えていなかったのだから

森島「花園?う~ん…あっ!手紙をくれた子ね♪」






47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:08:04.85 :bLmWS/vR0


辛うじて記憶は繋ぎ止められていたみたい

花園「はい、そうです。ところで何をしてたんですか?」

森島「特に何もしてないわ」

森島「ここで、こうして噴水の水を眺めていたの」

夕日に照らされる彼女はとても綺麗で

だけど、そんな彼女を見つめれば見つめるほど

胸の奥に潜むあの黒い液体が滲み出てくる……





48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:09:21.22 :bLmWS/vR0


森島「君は何してたの?」

花園「部活です。吹奏楽部に入ってるんです」

森島「へぇ、今度聞かせてほしいなぁ♪」

花園「はい、機会があれば」ニコッ

本心では思っていないのだろう

いつもの僕ならすごく喜ぶところなのだが……

あっさりと流した

花園「突然なですが……」

森島「どうしたの?」




49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:11:04.84 :bLmWS/vR0


花園「森島先輩は……その、どういう男性が好みなんですか?」

森島「好み?そうねぇ…」

花園「」ゴクリッ

森島「特にないかな?」

花園「そ、そんな!でも橘純一とは!」

森島「たちばなくん?」

花園「いえ…なんでもないです」ショボーン

森島「喧嘩でもしたの?」

花園「そういうわけじゃ……」

森島「元気がないみたいだよ?花園くん」

花園「それは……」

あなたが原因なんです…先輩……




51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:13:37.12 :bLmWS/vR0


ポンッ

花園「え?」

先輩の手のひらが僕の頭の上に乗る

ナデナデ

森島「元気出して。花園くん」

花園「え、そ、その//////」ドキドキ

森島「屋上であった時の君はもっと明るかった気がするんだけど」

森島「事情はわからないけど、前の花園くんの方が素敵だと思うわ」ニコッ




52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:14:25.66 :bLmWS/vR0




今日の先輩……なんだったんだろう?

もう一度、頑張ってみようかな

花園「もしかしたら、もしかするよね」クスッ

花園「明日からがんばるぞー!」




53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:15:05.88 :bLmWS/vR0


次の日

上崎「大丈夫、橘くんは棚町さんや梅原とおしゃべりしてるわ」

花園「うぅ…」

上崎「どうしたの?森島先輩とおしゃべりしなくていいの?」

花園「君の言う、素直で優しいっていうのがいまいち、わからないんだけど…」

上崎「そうねぇ…」 ウーン

上崎「いいから!行って来なさい!」ドンッ

花園「え!そんな!」ワタワタ




54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:16:00.05 :bLmWS/vR0


森島「あ、花園くん。」

花園「ど、どどどうも!先輩!」

昨日はあんなにも冷静でいられたのに!

恥ずかしくて先輩の顔を見れない……

森島「ふふ、元気になったみたいね」

花園「はい!おかげ様で!」

森島「で、どうしたの?」

花園「えっと、そのお昼ごはんを一緒にどうかなって」

森島「う~ん…」(なんだか健気で可愛いし、今日は花園くんとたべようかな)

森島「えぇ、いいわよ!」




59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:28:59.65 :bLmWS/vR0


昼休み

梅原「たたたたた!大変だ!!」

橘「どうしたんだよ梅原。そんなに慌てちゃって」

梅原「ハナヂ王子と森島先輩が!!食堂で二人でご飯たべてるぞ!」

橘「そんなっ!だって、花園聖治はふられたはずだよ!」

梅原「そうなんだけど……どうしてだろうなぁ」

橘(まずい……どうしよぉ…)




60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:31:40.02 :bLmWS/vR0


花園「今日は楽しかった。幸せだったなぁ」 ウットリ

森島先輩と話せて、彼女の笑顔を見ることができて

それだけでも満足だ

上崎「本当に森島先輩のことが好きなんだね」

花園「先輩は僕のずっと憧れだったから」

上崎「そう…どうして、前はあんな告白をしたの?」

花園「どうしてだろうね。ふられることなんてありえないって思ってんだよ」

上崎「でも、いきなりすぎじゃない?」

花園「これだけ先輩のことが好きなんだから、きっとわかってくれるっておもっちゃったんだよね」

花園「ばかだよね……はじめから、こうしておけばよかったのに」




61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:34:11.00 :bLmWS/vR0


その後、僕は何度も森島先輩にアプローチした。

上崎さんのアドバイスのおかげで以前よりもずっと良い関係を築くことができた。

上崎「今日も先輩と?」

花園「うん!頑張ってくる!」

上崎「そう♪でも、あまり調子にのって嫌われないようにね」

花園「うん、わかってる。それじゃ」

上崎「がんばれ!」

上崎(花園くん幸せそう♪初めの頃はあんなにも暗かったのに)

上崎(ふふ♪応援してるんだからっ♪)




63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:35:09.98 :bLmWS/vR0


上崎「あっ…」(橘くん!)

梅原「大丈夫か?大将」

橘「うん……」

ササッ

上崎「橘くん……」

梅原「大丈夫だって!な?」

橘「もう、無理だよ……今日だって花園と一緒にいたみたいだいし」

橘「はぁ……悔しいよ…」ウルウル

上崎「……」




64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:37:07.00 :bLmWS/vR0


数日後

上崎さんはあまり姿を見せなくなった。

何故だろう?何かあったのかな?


放課後

花園「ふぅ、さて帰ろうかな♪」

上崎「……」

花園「あ、上崎さん!僕、もうすぐ告白しようと思うんだけど」

上崎「……」

花園「上崎……さん?」

上崎「やめようよ……」ボソッ




65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:40:26.58 :bLmWS/vR0


花園「え?な、何をやめるの?」

上崎「告白に決まってるじゃない……」

花園「どうして?なんで、いきなりそんなこと言うんだよ」

上崎「ごめんなさい!やっぱり、私……橘くんには幸せになってもらいたいから」

花園「そんな……だったら!今までのは何だったんだよ!」

上崎「もし、もしもだよ?森島先輩が他の男とくっついたら……」

上崎「橘くんに想いを伝えるチャンスが出来るかもしれないって……思ったの」

上崎「傷ついた橘くんを私が癒してあげれば……振り向いてくれるかもって」

上崎「でも……やっぱり、悲しんでいる橘くんはみたくなかったから」ウルウル

花園「……僕を利用してたの?」





66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:41:05.28 :bLmWS/vR0


崎「そういうわけじゃ……」

花園「」

上崎「でも!おかげであなたは森島先輩と仲良くなれたでしょ?」

そうだけど……確かに上崎さんがいなければこうはいかなかったと思う……

でも……

花園「そうだとしても……君のしていることは最低だよ…」

上崎「……」

花園「僕は行くよ」クルッ

上崎さんの件よりも、僕は優先すべきことがある

森島先輩への告白

そのために今までがんばってきたんだ

誰にも邪魔はさせない!




67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:44:26.53 :bLmWS/vR0


上崎「待って!お願い!」

花園「邪魔しないでくれないかな」

上崎「お願い……告白は諦めて」シクシク

花園「嫌だ!僕は森島先輩が好きなんだ!」

花園「君だって……橘純一が好きなんだろ?それと同じさ!」

上崎「わかってる……そんなこと、わかってるけど……」シクシク

上崎「橘くんには傷ついてほしくないから」シクシク

花園「」スタスタ

上崎「花園くん!!!」

後ろで立ち竦み泣きじゃくる上崎さんをおいて僕は校門を出る……

花園「明日、告白するよ……」







68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:48:57.45 :bLmWS/vR0


次の日 放課後

あの日から僕の体にへばりついたままだった黒い液体は

ついに、僕が動けないほどにまで溢れかえっていた。

放課後、誰もいない校舎を噴水の知覚に座り眺めていた。

また、振られた……

伝えたいことは全部伝えた。

後ろめたい気持ちなんてないはずなのに……

二度目の告白が成功するなんて思っていなかった。

ただ、あの時の浅はかな告白の後悔を拭い去りたかっただけなのだ。

なのに……

初めの時よりも……辛い

辛くて、苦しくて……




70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:54:51.70 :bLmWS/vR0


花園「」シクシク

噴水の水面にはなんとも情けない男の赤く腫れた顔が写っていた。

上崎裡沙……

もしかしたら、彼女の罠だったのかも?二度と森島先輩に近づけなくするための……

なんて、最低な考えをするんだ……あてつけにも程がある。

今まで彼女は僕のために頑張ってくれてたじゃないか!

だけど……

今はどうだろう?

僕がふられた今、彼女は何を思う?

決まってる……

橘純一を守ることができたと喜んでいるに違いない……




71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 20:58:08.73 :bLmWS/vR0


上崎「は、花園君?」

噂をすれば……

花園「ふられちゃったよ」エヘヘ

上崎「しってる……」

花園「で、僕を笑いにきたのかい?」

上崎「……」

花園「よかったね。これで、橘純一は傷つかなくて済む」

上崎「でも……」

花園「なに?」

上崎「でも!あなたは傷ついた!」ウルウル

花園「え?」




73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 21:02:23.39 :bLmWS/vR0


上崎「あなたが……森島はるかのことをどれだけ好きだったか知ってる」ウルウル

上崎「例えそれが、彼女に届かなかったのだとしても私は知ってる!!」ウルウル

上崎「だから……あなたの気持ち……すごくわかるの」

上崎「辛いよね……悲しいよね」シクシク

どうして……僕のために泣いてくれるんだ?

花園「やめてくれよ……こっちまで泣きたくなるじゃないか…」ウルウル

花園「君は悲しむべき立場じゃないだろ?」

上崎「いいえ、私は……橘くんにも幸せになって欲しいけど…」シクシク

上崎「あなたにも幸せになってほしかった!!」シクシク








74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 21:05:51.44 :bLmWS/vR0


上崎「ごめんなさい……私のせいで…」

上崎「橘くんに振り向いて欲しかったなんて一瞬の迷いのせいであなたを傷つけた…」シクシク

彼女はずっと悩んでいたのだろう……

僕と橘…遠すれば二人共幸せになれるのだろうと……

もちろん、彼女自身だって幸せを望んでた……

森島はるか、橘純一はこの世に一人しかいない

みんなの恋がうまくいくなんてありえないんだ

それでも、彼女はその方法を……




76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 21:11:54.34 :bLmWS/vR0


花園「ありがとう」

上崎「うぅ……」シクシク

花園「確かに今、僕は辛いしとても悲しい……」

花園「だけど、またいつか、森島先輩のような素敵な人に出会える気がするんだ」

花園「そう思えば少し楽になれるしね」ニコッ

気がつくと黒い液体は跡形もなく消え失せていた。

新しい恋を探そう。大丈夫!花園聖治ならきっと見つけることができる!

花園「君だって、橘純一よりもいい人が見つかるかもしれないよ」

上崎「そうかな……うん、そうだといいな」ニコッ

上崎「だけど、今は橘君の幸せだけを考えたいな」

花園「そうだね。僕も森島先輩には幸せになってほしいな」






78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 21:18:07.75 :bLmWS/vR0


その後、橘純一と森島先輩は晴れて付き合うことになり

僕達の思う人々は幸せになってくれたようだ。

放課後

花園「噂、聞いた?」

上崎「うん」コクリッ

花園「君はまだ橘純一のことが好き?」

上崎「そんなの一生好きに決まってる」ウルウル

上崎「橘くんの恋が実ったのは嬉しい……だけど、やっぱり」シクシク

彼女の小さな涙は僕の涙を誘った

ぼくだって彼女と同じ気持なのだ








80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/22(月) 21:26:40.43 :bLmWS/vR0


だけど、いつまでも泣いていたってしょうがない

僕達の人生は恋はこれで終わったわけではないんだから。

花園「よし!来年の創設祭までに彼女を作るぞ!」

上崎「え?」

花園「森島先輩くらい良い人見つけて!僕だって幸せになってやる!」

花園「だから……」

花園「上崎さんも良い人見つけて幸せになってほしいな」ニコッ

上崎「橘くんより良い人は見つからない気がするけど」

上崎「私だって幸せになるもん!」ニコッ

僕達の恋は確かに終わったけど

きっと、失恋の悲しみを忘れさてくれるような

新しい恋がどこかで芽吹き始めているはず。

泣いて腫れた頬のように赤く染まった夕日が二人を応援するかのように

いつまでも照らし続けた。
おわり
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